奥只見丸山スキー場周辺のチョウ、
四話目は「クロシジミ」です。
このチョウは、黒蟻で育てられるため「クロシジミ」と
命名されたようですが、もっとも昔は何処にでも
たくさんいたのでしょうね。
♂は紫色に輝くので、もう少しまともなネーミングをつけてもらいたかったと
感じるチョウのひとつであります。
あちこちの県では、既に採集禁止となっている種類ですが、
ここ奥只見(新潟県)はまだ規制はありません。
個体数はさほどいるわけではなく、将来的にはゴマシジミ同様、
種の保存をしなければならないと思います。
道路沿いのススキやヒメジオンに制止していることが多く、
ススキに制止していると比較的見つけやすいです。
どこぞの採集ツアーは、背丈以上もあるこのススキ原を
薙ぎ倒してまで採集に執念を燃やしてますが、
このチョウの生態は不思議で
「今年このススキの葉っぱに制止しているとこを覚えていると、
来年も同じところに制止している」ので、
もっと学習能力を身につけたら?と思います。
しかし‼️それ以上に心配なことがあります‼️
ここ奥只見丸山スキー場の周辺は道路拡張の開拓が始まりっており、
本種クロシジミの生息地もピンポイントであり、毎年非常に心配ではあります。
あの山奥でなんの開拓?とお思いと⁉︎
よくわからないのですが、建物が建設するようには思えず、
舗道や荒地の草木を伐採してウッドチップを敷き詰めています。
遊歩道的な。
あのウッドチップっていうのは、弥彦公園でもそうなのですが、
歩道にチップを敷き詰めてからはギフチョウがガクッと減りました。
天然木で良い感じがしますが、ヤニが虫を寄せ付けないのかと思います。
ギフチョウの幼虫時代はエサを求めて歩き回るため、
ウッドチップの松ヤニを越えられずにいるのではと感じます。
このチョウは蟻で育てられるにしろ、ブルトーザーが入り
生息環境を破壊するというには違いはないものです。
生息地開拓→保護採集禁止→更に開拓→絶滅
お約束のシナリオ。
今後の奥只見クロシジミの行く末は危ういと感じます。
あくまでもしっぽ個人的見解です。
新潟県奥只見産
♂・♀
1995年7月
自己採集品