奥只見のチョウ 第1話 フタスジチョウ

新潟県の秘境
今回「奥只見のチョウ」を連載します。
奥只見は織田裕二主演映画「ホワイトアウト」の舞台となった秘境で、
旧小出町の街からひたすら登り、長くいくつものトンネルを抜けて、
ようやく辿り着ける人造湖(ダム湖)です。
歴史は古く、その昔、江戸時代には銀山発掘のために多くの人が働き、
また大きな村もあり、産業的にも繁栄したところでしたが、
二度の大きな災害で多数の死傷者を出した事で、遂に閉山。

昭和に入ってからダムと電力建設が進められ、
村跡は、寺も墓も湖の底深くに沈んでしまいました。
この湖の周辺には数々のいわくつきの名称があり、
骨投げ、恋、石抱かせ、遊女など昔を知る上での地域や川、山に
それぞれ名前が付いています。
繁栄と衰退があり、何方かと言えば影のある土地です。

奥只見湖(銀山湖)は、かの開高健先生が足繁く通った「二尺岩魚」が有名で、
4月の解禁より多くの釣り人が湖に入ります。
湖は大規模で、ちょうど五本の指を広げた型をしており、
初めての釣りでボートを走らせると、帰りがわからなくなるほどです。
トローリング釣りでも、なかには「迷いトローラー」がでるほどです。
しっぽも鱒釣りとなると黙っていられないのですが🎣
ここはチョウのブログなのでやめておきます(笑)

さて、前置きが長くなりましたが、
先ず、第一回目は
「黒化型フタスジチョウ」

このチョウは4種の亜種に分けられて
ssp bergmanii 北海道亜種
ssp shirozui 東北地方亜種
ssp insukarum 中部地方亜種
ssp tadamiensis 奥只見亜種
そのひとつの亜種です。
他のフタスジに比べ、一目瞭然で白帯が少なく黒化している個体です。
蝶研究家の樋熊先生が学界に取り上げてからssp.Higumaとも言われています。

このチョウにも思い出があり、今から30年前、
小学生時代に親の蝶友人と連れられていったのが最初です。
現在は5月中旬からの発生ですが、当時はまだ7月中旬の発生でした。
発生場所は昔から変わっていませんが、
絶滅危惧種IIになっているということは、減少もしくは
なにかのきっかけでその可能性があるということでしょう。

最近の発生期は、網を持った採集者の方々が多く登って行きますが、
ほぼルリクワガタ採集が目的で、本種を採集する方はあまりいません。

たまたまフタスジ採集者と出会い、お話をうかがました。
なかには2000〜3000頭は採集したという強者もおられましたが、
それでも激減しないということは
ある程度の環境が保たれているということでしょうか。

d0356192_20170164.jpg
新潟県魚沼市
奥只見産
上♂
下♀


d0356192_20164630.jpg
奥只見産
裏・♂


それと、ひとつ気になってることは「あまり黒化しなくなってきた」ことです。
このチョウも♀の採集は難しく、オマケに急傾斜面での採集で、
奥只見名産「銀山フキ」の季節と重なり、かなりしんどい採集です。
今年の本シーズンには、発生状況をブログってみようと思います。

この、他の地域と完全に分離する地域では
ある種、特有なチョウが生息していますが、
その個体には独特な斑紋を描いています。



[PR]
by usaginoshippo1228 | 2017-04-22 21:01 | 黒化型フタスジチョウ | Comments(0)

蝶を主としたブログですが、いちばん綺麗な発生初期の個体のみを採集しています。


by usaginoshippo1228
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30